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2020.11.06

魅力のある人になるため一歩ずつまえへ【認知症に生きるひとりひとりの声】

SOMPOひまわり生命保険では、実際に認知症や軽度認知障害の方々にお会いし、ひとりひとりの想いをまとめた冊子を作成しています。その中から今回ご紹介するのは、2014年に軽度認知障害(MCI)と診断された柿下秋男さん。通っている病院のデイケア部門で筋トレと芸術療法を受けて意欲を取り戻しています。最近は「みんなの談義所しながわ」の活動や「RUN伴(ランとも)」に参加するなど、さまざまな活動を通じて、得るものがとても多い日々を過ごしています。


上司の一言がきっかけで…

「お前、大丈夫か?」上司の一言が病気に気づくきっかけとなりました。その頃の私は、頭に霧がかかったような状態でした。頭がぼうっとして考えられないのです。役員として100人の部下をまとめていましたが、上司は私を見て、任せておけないと思ったのでしょう。家でも存在感がなく、生きているのか死んでいるのかわからない状態だったと妻も心配していました。 


2014年、かかりつけ医に軽度認知障害(MCI)と診断されました。それまで自分の体の状態がおかしいと感じていたので、診断されたことで少し安心しましたね。しかし、妻と娘は治療方針に疑問を感じ、転院を考えました。



新しい趣味を見つけて、いきいきと

今私が通っている病院にはデイケア部門があり、ここで筋トレと芸術療法を受けて意欲を取り戻しました。毎週土曜日に本山式筋トレというトレーニングをやっていますが、これをやると頭がすっきりとして、モヤモヤがなくなり、心地よくなります。また、芸術療法の水彩画を始めてから、これが新たな趣味になりました。隅田川などに出かけて写生をしたり、風景の写真を撮ったりしています。そのときに描いた絵や撮った写真をあとから見返すと、夕日が綺麗だったな、などと記憶が戻ってきます。


その他にも、若年性認知症専門のデイサービスに週2回通っています。ここでは、どこに行くかみんなで意見を出し合いながら計画を立て、お花見や初詣などに出かけています。ただ出かけて食事をするだけではなく、事前に訪問先の歴史を予習したり、その日の計画を立てたり、何度かミーティングを重ねることが記憶の定着につながっていると感じています。


認知症は、記憶が抜けやすいというイメージがあると思いますが、私の場合は複数の角度から情報が入ってくることで、記憶が頭に残っていきます。脳は、すべてが働かないわけではなく、強いところ、弱いところがあるのです。



魅力のある人になりたい

最近では、認知症の症状がある当事者として活動したり、体験や想いを話す機会も増えています。そんななか、「おれんじドア」の丹野智文さんにお会いしました。丹野さんは前向きで、エネルギッシュで、明るく、かっこいいなと思いました。丹野さんに出会い、認知症であってもできることがいっぱいあるし、魅力を持つことができると刺激を受けました。今では、私も他の仲間に影響を与えられる存在になりたいと思って活動しています。


最近は「みんなの談義所しながわ」の活動を大切にしています。ここで講演をしてみないかと声がかかったり、「RUN伴(ランとも)」という今まで認知症のある方と接点がなかった地域住民と、認知症の方や家族、医療介護福祉関係者が一緒にタスキをつなぎ、北海道から沖縄まで日本全国を縦断するイベントなどに参加しています。談義所の参加者は「認知症ということは関係なく、ひとりの人間として同じ目線で」という気持ちを持っているように感じます。さまざまな活動を通じて、得るものがとても多いです。



認知症だからこそできることも大切に

奥さまにもお話しいただきました。


夫が軽度認知障害(MCI)と診断されたときは、まだ若いし、なんとかしなくちゃいけないという想いがあり、じっとしていられませんでした。専門の病院の情報を一生懸命探しました。今では、「RUN伴(ランとも)」やソフトボール大会などに参加して楽しく過ごしています。集中して取り組むことはなかなかないので、夫がソフトボール大会に参加することは、私にとっても嬉しい出来事です。


軽度認知障害(MCI)や認知症と早期発見された方は、診断されたあとどうするかが大切だと思います。自分の楽しみを見つけて、意欲的に生きるきっかけを与えてくれる場所が必要です。若年者、高齢者にかかわらず初期の認知症の方が活動できる場はほとんどないと感じています。


夫が軽度認知障害(MCI)になり、いろいろな活動をするようになってから、私もすごく影響を受けています。住んでいる地域のことも考えるようになりました。


そばにいる方と本人が考えたり感じたりしていることにはズレがあるように感じます。本人ができることやしたいことはいっぱいあるはずですし、当事者同士の助け合いも重要です。認知症だからこそできることも大切にして、これからの人生も一緒に歩んでいこうと思っています。


SOMPOひまわり生命保険株式会社「認知症とともに生きるひとりひとりの声」より

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