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宿泊施設「水屋敷」の室内からの景色
2024.12.02

毎日をつなぐフォト日記 vol.14~心地よく旅をすること~ 【若年性認知症当事者 下坂厚さん連載】

2019年に若年性アルツハイマー型認知症と診断された下坂厚さん。現在は、フォトグラファーとしても活動しています。


下坂さんの日常の様子を、毎月のフォト日記としてお届けする本企画。今回は、京丹後市の宿泊施設で過ごしたエピソードを綴っていただきました。

執筆者画像
下坂 厚さん
京都府京都市在住。2019年8月、若年性アルツハイマー型認知症と診断される。認知症当事者として、SNSで趣味の写真を発信し、当事者以外にも大きな反響を呼ぶほか、認知症の啓蒙活動も展開中。ホームヘルパーとして働く妻と2人暮らし。著書に『記憶とつなぐ 若年性認知症と向き合う私たちのこと』(双葉社)がある。

秋のはじめに、妻と旅行に行ってきました。


目的地は、京丹後市。

湖畔に佇む宿「水屋敷」さんに泊まりました。



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認知症の人が旅行をするときは、周囲の方々がいろいろな気遣いをしてくださいます。それは、心地よい旅行につながることもあれば、そうでないことも……。

たとえば、


・宿泊施設の予約時に認知症の人が泊まることを伝えると、宿泊拒否をされてしまう。

・宿泊施設の方々に過剰な配慮をされて、気を使ってしまう。


など、さまざまなことがあります。

こういうことが起こるのは、認知症のことが正しく理解されていないからだと思います。認知症は、100人いれば100通りの症状があり、ひとくくりに対応を統一するのは難しいかもしれません。


だからこそ、そこで働く人たちが、“認知症を理解する”ことがとても大切です。『認知症の方に、●●を特別に用意したのでどうぞ」と案内されても、逆に利用しにくくなることもあります。


“こうでなければいけない”という正解はありません。


認知症を理解したうえで、働く方々が必要だと思うことを、さりげなく対応してくださることが重要だと思います。

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「水屋敷」さんは、ユニバーサルツーリズムをコンセプトに、地域医療との連携や認知症との共生社会を目指す「オレンジイノベーション・プロジェクト」へ参加し、どんな方でも気軽に楽しめる旅館を運営しています。

宿泊施設「水屋敷」で提供されている食事

「水屋敷」さんで提供される、日本海の魚介をふんだんに使った食事


実際に宿泊してみると、従業員さんのさりげない配慮を感じました。

チェックインのときは、わかりやすく、押し付けすぎない説明をしてくれる。

館内を案内していただくと、横に付き添って、適度な声掛けを受けながら部屋に誘導してくれる。


女将さんに話を聞くと、認知症のことを従業員に説明しすぎたり、押しつけすぎないことを心がけ、自分で調べて、さりげないサポートをするよう教育をしているとのこと。


部屋に到着して、窓を開けると、目の前一面に広がる湖の景色が目に飛び込んできました。

宿泊施設「水屋敷」の室内から写真撮影する下坂さんの家族

湖を見て、食事をして、温泉に入って過ごしていると、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

“認知症であることを気にすることなく過ごせること”こそ、大切な配慮なのかもしれません。


水屋敷

〒629-3113 京都府京丹後市網野町小浜912

https://mizuyashiki.jp/

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