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2024.06.26

ケアスタッフより、家族介護者の方へのメッセージ~第21回~

高齢者が落ち込んでしまったときに、家族としてどのように声をかけたら良いかわからなくなってしまうことがあると思います。

例えば、友人や長年連れ添ったパートナーの死、病気の発覚など、生きていればさまざまなことがあります。そんなときは、どのように接することが大切なのでしょうか?

本コラムでは、その答えを導き出すような過去のエピソードとアドバイスを、経験豊富なSOMPOケアスタッフが紹介していますので、ぜひご覧ください。


目次
  ・今回のテーマ「落ち込んでしまった高齢者との関わり方」
  ・お母さまを亡くしたショックで口数が少なくなってしまった息子さん
  ・突然の介護施設入所
  ・ケアスタッフからのアドバイス

執筆者画像
SOMPOケア 栃木吹上 訪問介護 管理者 神谷由己子さん
福祉系の専門学校を卒業した後、病院にて看護助手として3年程勤務。その後、訪問介護スタッフとして本人がご家族に寄り添いながらお仕事を続けられています。座右の銘は、「自分の当たり前は他の人にとって当たり前ではない」ということ。多様な価値観を受け入れるスタイルでいるだけでなく、ご自身の明るく優しい性格を活かし、高齢者の話しやすい雰囲気づくりもできる、魅力的な訪問介護スタッフさんです。

今回のテーマ:「落ち込んでしまった高齢者との関わり方」

高齢者が何らかの理由で、落ち込んで口数が少なくなってしまったときに、どうやって関わっていくのが適切かと悩む場面もあると思います。

今回のテーマは、つらい出来事から精神疾患を患い、あまり話さなくなってしまった高齢者との接し方についてです。

神谷さんがこれまでに出会った高齢者とのエピソードをご紹介します。


お母さまを亡くしたショックで口数が少なくなってしまった息子さん

今回のエピソードは、一人暮らしをされているYさん(60代・男性)のお話しです。


ケアが開始されたきっかけは、もともと、一緒に暮らしていたお母さまが亡くなられたショックで統合失調症を患ってしまい、お母さんの姿を探して電車に乗り、行方不明になってしまったことです。その出来事をきっかけに、地域包括支援センターが介入。精神疾患があったため就労支援にも通っていました。


訪問介護のケア内容としては、自立支援のためにできないところを手伝い、できることはご自身でしていただくというものでした。主な生活支援サービスの内容は買い物や食事の準備のお手伝いです。


Yさんは口数が少ない方で、最初はあまり話さなかったため、スタッフが訪問して介護サービスを行う際には、Yさんが安心できるよう話しやすい雰囲気を作ることを意識しました。同時に、Yさんはもともと管理職などをしていた経験もあり、本人のプライドを傷つけないように配慮した声かけをしていました。


また、Yさんのお母さまは入浴中にお亡くなりになられていたということもあり、一人で入浴するのが不安なようでした。そのため、ケア内容に入浴中の見守りを追加し、Yさんが入浴する際にスタッフが付き添うことということで見守りケアを統一。Yさんが安心できるように、お風呂の際には「大丈夫ですよ。ここにいますよ。」と声かけするようにしたのです。


すると、だんだんYさんがこちらに話しかけてくれるようになりました。この時から信頼関係が少しずつできてきたのかな、と安心したのを覚えています。


突然の介護施設入所

Yさんとの信頼関係ができてきた頃、Yさんは水頭症を併発したことにより認知症の症状が進行しました。そのため、今までは介護サービスを利用しながら一人暮らしができていたのですが、一人暮らしを続けることがむずかしくなってしまったため、介護施設に入所することになりました。


介護施設に入所すれば、当然訪問介護サービスを利用しなくなります。それからYさんと会うことができなくなり、「どうしているかな?」とときどき心配な気持ちを持ちながら、「それでも施設で安心して暮らしていると良いな」と考えて過ごしていました。


そして、Yさんが施設に入所して2年が経過したときのことでした。病院で偶然、Yさんとご家族の方にお会いしたのです。Yさんは私のことを見るなり「あ…神谷さん」と呟きました。

そのときに、様子を見ていたご家族の方が突然泣き出してしまったのです。私は驚き、また心配になり、ご家族の方に「どうかされましたか?」と声をかけました。


すると、ご家族の方は「Yは、施設に入所してから口数が本当に減ってしまって。最近では全く喋らなくなってしまいました。それが淋しくて…。それで今日、Yの声を久しぶりに聞いたのです。」と仰いました。施設生活になり、口数がだんだん減ってしまったというYさん。ついには、全然喋らなくなってしまったそうです。

久しぶりに会ったYさんは、確かに変わっており、口数が少なくなっていましたが、私の名前を呼ぶと少し笑いかけてくれました。Yさんと関わってきた日々を思い出し、そのときに私も涙が出てしまったのです。


施設生活で言葉を発することがなくなってしまったYさんが、私を見て声を聞かせてくれたことで、信頼関係で発語は促せるのかもしれないと、改めて思いました。

ご本人があまり話されない方で、最初は心を開いてくださっていないと感じても、すぐに諦めるのではなく、長い目で見て信頼関係を築くことが大切だと、改めて感じたエピソードでした。


ケアスタッフからのアドバイス

一緒に暮らしている高齢者が、突然落ち込んでしまうこともあると思います。

例えば、配偶者の死や病気の発覚など、高齢者本人にとって、とてもつらいことが起こり、孤独や不安を感じ、気持ちが晴れない日が続いてしまうこともあるかもしれません。


落ち込んでしまったことがきっかけで、食事がとれなくなったり、外に出かけなくなったりするケースもあります。そんなときには、本人の苦痛を少しでも取り除いてあげたくなるものですが、どう接したら良いかわからないときもあるでしょう。


しかし、生活の質を低下させないためにも、落ち込んだ状態の高齢者が気持ち穏やかに過ごせるようにしていきたいところです。落ち込んでしまった高齢者との関わりで大切なことは、「安心してもらうこと」かもしれません。


例えば、高齢者の部屋に行き、数分でもゆっくりと話を聞く時間を作るのも良いでしょう。高齢者は、何かしらの不安感を持っている方が多いと思います。話を聞くことで高齢者自身も少しスッキリするかもしれませんし、ご家族自身が高齢者の不安要素を知るきっかけになるかもしれません。


また、高齢者に安心感を持ってもらうためには、時間をかけることも大切です。 まずは高齢者が「どの部分に不安感を持っているか」を会話の中で分析し、不安を持っている部分を明確化すると、その後の行動に移しやすいと思います。

例えば、事例のように入浴に不安を持っているのであれば、入浴中は安心してもらえるよう特に気を配る、などです。


落ち込んでいる高齢者本人が「本当は何に不安を感じているのか」を自身で把握していないことも多いため、漠然とした不安を抱え、何カ月も解決できないこともあります。

高齢者の漠然とした不安感に対して、こちら側が「具体的に何が不安なのか」を探していき、それがある程度わかったら、その不安感を取り除くようなアプローチを繰り返していくことが大切です。最初は効果を感じられなくても、続けていくことで高齢者が安心感を持つ日が来るかもしれません。


そしてなにより、高齢者が安心して過ごすには、家族の思いやりが大切です。その思いやりは高齢者に必ず伝わります。高齢者、そしてご家族自身も安心できる生活環境を目指していきましょう。



取材/SOMPO笑顔倶楽部  文/中村亜美

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