「高齢になった生活はどんなものか」「未来の自分が想像できない」など、将来について不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
今回、NPO法人「老いの工学研究所」により、「高齢期の幸福感と、近くに住む人たちへの感情の関係」の調査結果が出ましたのでご紹介します。
「高齢になった生活はどんなものか」「未来の自分が想像できない」など、将来について不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
今回、NPO法人「老いの工学研究所」により、「高齢期の幸福感と、近くに住む人たちへの感情の関係」の調査結果が出ましたのでご紹介します。
高齢者はどのようなことに不安を感じているのか
これまでさまざまな研究機関により高齢者の意識調査が行われてきました。
内閣府では、「一人暮らしの高齢者の意識」として、65歳以上の一人暮らしの男女を対象に「日常生活の不安」を調査しています。
参考:一人暮らし高齢者に関する意識|内閣府
不安として多かったのが、「健康や病気」「介護に関する不安」などです。また、「頼れる人がいなくなることが不安」といった声もあがっていました。
本調査は平成26年のものです。当時から日本は核家族化(※)がすすんでおり 、一人暮らしの方を中心に健康や介護問題など、将来に不安を抱えやすい状況になっていたと考えられます。
※核家族化とは:夫婦と未婚の子どもで構成される家族のこと
「幸福感」と「近くに住む人たちへの感情」の調査結果
高齢者はどのようなときに幸福感を感じるのでしょうか。
この度、NPO法人「老いの工学研究所」にて、高齢期の幸福感と「近くに住む人たちへの感情の関係」について調査が行われました。
本調査は、65歳以上の318名(65歳~89歳。平均年齢:76.1歳)の方を対象としており、アンケートベースに内容を分析したものです。
質問内容は以下の10問で、それぞれ選択肢により点数を振りわけており、項目ごとに5点満点、10点満点で評価しています。
1~8問までを「協調的幸福感」、9問目を「主観的幸福感」、10問目を「主観的健康観」として集計しており、点数が高いほど幸福感や健康感が高いとしています。
● 協調的幸福感:主観ではない集団や文化など周囲の環境をふまえて感じる幸福
● 主観的幸福感:自分の感情や、家族・仕事などの特定の領域に対する満足をふくむ概念
● 主観的健康感:医学的な健康状態ではなく、主観的に評価する自分の健康
調査結果は以下のとおりです。
「協調的幸福感」が高いほど、幸福を感じている(主観的幸福感が高い)傾向がみられます。
また、「協調的幸福感」が高い人ほど、自分が健康であると自覚している人が多い(主観的健康感が高い)こともわかりました。質問内容と点数から、近くに住む人たちと信頼しあい、その関係が良好であればあるほど、幸福で健康な高齢期が実現しやすいと推測されます。
高齢者の幸福感は人との関わりにより変化する
本記事は、NPO法人「老いの工学研究所」による「高齢期の幸福感と、近くに住む人たちへの感情の関係」の調査をご紹介しました。
本研究により、近くに住む人との関係性で、幸福感や健康感が変化することが示唆されました。
「どんな場所で、どのような人と暮らすか」は、高齢者にとって重要であり、不安解消の要因となる可能性があるのです。
調査の概要
「“近くに住む人たちへの信頼感”が、高齢期の幸福感と健康感を高める」
●回答者数:318名(男性:61名、女性:257名)
● 年齢:65歳~89歳。(平均年齢:76.1歳)
● 方法:奈良県「まほろば映画祭」(3月18日)において、調査票を配布・回収。
●URL:https://www.highness-co.jp/021.pdf
会社概要
特定非営利活動法人「老いの工学研究所」
「老いの本質」を研究し、現在の高齢者を取り巻く問題への解決策を提示することで社会貢献している団体。研究に加えて、研究所発行の情報誌「よっこらしょ」にて高齢者や社会をテーマにさまざまな著名人へのインタビューや、ホームページでコラム記事を掲載している。
ホームページURL:https://www.oikohken.or.jp/
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