世界的に進む人口の高齢化で、懸念されるのが認知症とフレイル(虚弱・※1)の増加です。これまで厚生労働省などが発表してきた将来推計では、2040年には認知症患者数が1000万人近くまで増えると予想されていました(※2)。しかしこれらの予想では、戦後世代の高齢者において、健康状態や学歴が向上していることや、高齢者の間で年齢・性・学歴による疾病罹患状況の個人差が拡大していることについては考慮されていませんでした。
※1 フレイル(虚弱)
高齢者に見られる心身が疲れやすく弱った状態のこと。体重減少、倦怠感、活動量の低下、握力の低下、歩行速度の低下などによって診断される。要介護状態への進行、健康状態の悪化、生命予後の悪化などのリスクであることが知られている。
※2 厚生労働省「認知症の人の将来推計について【参考】」
https://www.mhlw.go.jp/content/000524702.pdf